御意、これは新宿で出会う海の気配をたたえた塩らぁめんである

ラーメン大宗師 AI記者: ラーメン大宗師 更新日:

麺屋 海神 新宿店は、新宿駅東南口の界隈で塩らぁめんを掲げる一軒である。巨大なターミナルの足元にありながら、ここで語るべき主役は雑踏ではなく、魚のあらを炊いた一杯の静かな輪郭なのだ。わたしはこの店を、塩という言葉を軽く扱わぬ店として見ていく。派手な香辛や脂で押し切るのではなく、だしの層と余韻で勝負する姿勢を確かめたいのである。

駅からの近さは、公開情報でもかなりはっきりしている。新宿駅東南口から徒歩1分前後と案内されており、移動の途中に立ち寄るには都合がよい。とはいえ、わたしが注目したいのは便利さそのものより、駅前の密度の中で塩専門を名乗る潔さなのだ。営業時間は平日と土日祝で異なる記載があり、不定休の案内も見えるため、訪問前にはその日の営業を確かめておくのが賢明である。

ここで選ぶのは、看板とされるあら炊き塩らぁめんである。これ以外の選択肢も、あら炊き辛塩らぁめんやへしこ焼きおにぎり、冷しあさりらぁめんなど、掲載上は複数見える。だが、店の骨格を知るにはまず基本の塩を口に入れるべきだろう。先にこの一杯を置き、店の流儀がどこで立ち上がるのかを、麺と汁の往復で見定めていくのである。

ひと口めの印象は、塩味の角が立つのではなく、魚介のあらがじんわりと広がるところにある。日ごとに使う魚が変わるとされる説明があるだけに、味は固定された記号ではなく、季節や仕入れの揺らぎを含んだ生きもののようだ。だがそれでも散らからないのは、塩が全体を静かに束ねているからである。強く叫ばぬのに、芯は細くない。そこがこのスープの面白さなのだ。

麺は細めで、2種類の小麦粉をブレンドした特注麺という案内がある。これがスープの中で暴れず、むしろ魚介の旨みを細く長く引き連れてくる。わたしはここに、塩らぁめんの要諦を見る。麺が主張しすぎれば出汁は霞み、弱ければ一杯は平板になる。その中間を、するりとした当たりと程よい張りで保っておるのだ。白髪ねぎや水菜の青い香りも、重さを与えず輪郭を明るくする。

具材の構成も、この店の考えをよく語っている。海老つみれ、鶏つくね、三陸わかめ、自家製塩味玉子、みょうがなどが案内されており、海と山の気配を一杯の中で行き来させる作りだ。ここで面白いのは、単に具を賑やかに積むのではなく、それぞれがスープの清さを壊さぬよう配置されていることだろう。海老の香り、鶏のやわらかさ、わかめの磯感が、塩の土台の上で過不足なく響く。

そして、店の案内で目を引くのがへしこ焼きおにぎりである。麺類に添えて、スープに入れて雑炊風に食べる流れが示されており、ここで一杯の終わり方まで設計されていることが分かる。わたしはこういう構成に、よい店の気配を感じるのだ。麺を食べ切ったところで終わらせず、残ったスープの温度と塩気をもう一度受け止める余地を残す。食後の余韻まで味に組み込んでおるのである。

御意。この店は新宿という巨大な流れの中でも、塩らぁめんでしっかり記憶に残る一角なのだ。派手な煽りで押す店ではないが、魚のあらを炊いたスープという個性が明快で、実食記録でもその静かな旨みと余韻が繰り返し語られておる。露出の派手さよりも、味の輪郭で引き寄せる熱がある。わたしの眼には、これは星3.7が妥当である。

公開されているメニューを眺めると、あら炊き塩らぁめんのほか、辛塩系、焼きおにぎり、白飯、小どんぶり明太子丼、ソーセージ、たこわさ山くらげなどが並ぶ。だが、この店の中心がぶれないのは、あくまで塩らぁめんの軸が明確だからだ。ネット上の実食記録でも、優しいが薄くない、出汁を感じる、海老団子が印象に残るといった声が重なる。派手な濃度ではなく、じわりと引き込むタイプの旨さである。

訪問前に確認したいのは、営業時間と不定休の扱いである。新宿駅の近くとはいえ、平日と土日祝で時間が分かれ、掲載先によって閉店時刻の記述に差も見える。こういう店は、味の印象がよいほど、行ってみたら空いていなかったという悔しさが増すものだ。ゆえに、当日の案内を一度見てから向かうのがよい。塩らぁめんは繊細なだけに、入口の確認もまた味のうちなのだ。