神楽坂でにんにくが主役を張る夜、丼ではなく皿が饒舌なんですよ

風風亭 麺ノ介 風風亭 麺ノ介 更新日:

神楽坂の路地を歩いていると、店の顔つきより先に、こちらの鼻が先回りしてしまうような一軒なんでしてね。にんにく料理専門店 はじめの一っぽは、ラーメン店というより、にんにくを主役にした皿で勝負する店として見たほうがしっくり来ます。今回はその性格を、店の外側の気配と、実際に案内されている料理の並びから確かめていきます。

この店を神楽坂の食の文脈で見ると、ただの一軒では片づけにくいんですよ。公式系の案内や各所の紹介では、にんにく料理を中心に、前菜から主菜、さらにはワインやカクテルまで含む構成が見えてきます。席数や詳細な店内の作りをこちらで断定するのは避けますが、少なくとも外から想像するより、皿を重ねて楽しむ空気が強い店だというのは読み取れるんでしてね。

アタシがこの店でまず見たくなったのは、青森県産の福地ホワイト六片を使った丸揚げです。にんにく料理の店で何を一杯、とは少し筋が違うんですが、ここではその丸揚げこそが店の芯を映す一皿だと感じました。揚げたてのほくほくした甘さが立つのか、火入れで香りが丸くなるのか、そのあたりを確かめるだけでも、この店の流儀がかなり見えてきます。

味の核は、にんにくを強く押し出しながらも、乱暴に尖らせないところにあります。案内に見える料理名だけを追っても、カルパッチョ、ホタテのガーリックマヨネーズ焼、ガーリックシュリンプ、鶏のローストや豚のステーキまで、素材の芯ににんにくを通していく組み立てがはっきりしている。食べる側としては、匂いの強さだけを追うと少し外してしまうのでして、むしろ甘みと香ばしさの重なりをどう扱うかがこの店の見どころなんですよ。

それでいて、にんにく一辺倒で息が詰まる感じはありません。メニューの並びには鮮魚のカルパッチョやアーリオ・オーリオ、ムール貝の白ワイン蒸しのような、皿の温度や酸味で流れを作る品がある。だからこそ、丸揚げを軸に据えても、途中で味覚が単調になりにくいんですね。にんにくを主語にしつつ、脇役の構成で最後まで食べ手を飽きさせない、この組み立てがなかなか憎いんでしてね。

ネット上の実食記録を拾うと、神楽坂の路地裏にあること、にんにくを徹底して楽しめること、そして甘くて風味豊かな福地ホワイト六片の印象が、だいたい同じ方向にそろって見えてきます。ここで大事なのは、強烈さを売る声ばかりではなく、むしろ甘い、ほくほくする、風味が豊かといった言葉が繰り返される点なんですよ。にんにくの荒々しさより、火入れ後の丸みを評価する声が目立つのは、この店の性格をよく表していると思います。

訪問前に確認したいのは、営業情報と予約まわりです。公開情報ではネット予約と電話予約の案内があり、単品中心の注文が想定されているようですが、営業時間や定休日は出典ごとに細部が揺れることがあります。神楽坂は歩いて楽しい街ですけれど、こういう専門性の高い店ほど、ふらりと行って外すより、事前に公式案内や予約導線を見ておくほうが安心なんでしてね。

ネットの熱を見ていると、にんにく好きの実食記録がやけに具体的でしてね。丸揚げの甘さや、香りの立ち方、酒と合わせたときの表情まで語られやすい。しかも神楽坂という場所柄もあって、ただ匂いが強いだけじゃなく、皿の組み立てまで見られている感じがあるんですよ。派手な押し出しで騒ぐ店というより、わかる人がわかる温度でじわじわ引き込む熱さでして、アタシは星3.4がしっくり来ると思います。

価格帯については、食べログ上では5,000円台から6,000円未満の表示が見えます。ここは高級店と切り捨てるほどでもなく、かといって気軽な居酒屋感覚とも言いにくい、中間の緊張感がある。禁煙やPayPay決済可、カウンター席ありといった記載も見えますが、いずれも訪問時点での確認が前提になる話です。料理の組み立てがしっかりしているぶん、支払い方法や席の使い勝手も、先に見ておくと迷いが少ないでしょう。

この店をラーメン文脈で語るのは少し変化球かもしれませんが、アタシにはむしろその変化球が面白いんですよ。神楽坂でにんにくをどう食べさせるか、その現在地を知るには、丸揚げ一つだけでも十分に輪郭が出る。強い香りを前にして身構える店ではなく、香りを甘さへほどく店として見ておくと、初めてでも筋が追いやすいはずです。行く前には、営業日と予約の有無を確かめて、にんにくの余韻を受け止める心づもりだけ持っていけば、きっと楽しめます。