綱島の昼にすっと立つ八王子ラーメン、アタシは刻み玉ねぎの気配にやられました

風風亭 麺ノ介 風風亭 麺ノ介 更新日:

綱島東で昼の顔を見せる「中華そば はせ(もつ焼き良)」は、もつ焼き店の中でラーメンを出す二毛作の一軒として知られています。駅から少し歩く場所にあって、繁華街のど真ん中というより、住宅地の気配をまとったところでの一杯なんですよ。こういう店は、のれんの奥に別の時間が流れている感じがして、アタシはつい身を乗り出しちまうんです。

この店でまず押さえたいのは、昼の営業がラーメンに振られていることです。公開情報では11時半から14時まで、月曜と木曜が休みと案内されていますから、訪問前にはそこをしっかり確かめておきたいですね。二毛作の店は、同じ看板でも昼と夜で表情が変わることがありますから、昼のラーメンを狙うなら時間の読み違いは禁物でしてね。

アタシがこの店で主役に選びたいのは、やはり八王子ラーメンなんです。候補にはソルトやまぜそば、とんこつラーメン、ワンタンソルトなども見えますが、この店の輪郭を知るなら、まずは八王子ラーメンがいちばん手応えを伝えてくれる。刻み玉ねぎ、メンマ、ほうれん草、海苔、薄切りのチャーシューという構成が見えていて、素直に顔を合わせるにはちょうどいい一杯だと思うんですよ。

実際に口へ運ぶと、まず玉ねぎの立ち上がりがはっきりしているんですね。甘さだけに寄らず、細かく刻まれた香味が醤油の輪郭をすっと押し出してくる。そこへ、香ばしさをまとったやさしい魚介の気配が重なり、スープは落ち着いているのに、ただ静かなだけでは終わらない。あっさりしているのに味が薄くならない、そこがこの一杯の妙でしてね。

麺はストレートの細麺で、これがまた素直なんです。スープをまとっても重くならず、するりと入るのに、歯応えはぼんやりしない。八王子ラーメンって、玉ねぎが主役に見えて、実は麺との呼吸がずいぶん大事なんですが、この店はそこがうまい。細麺が香りを持ち上げ、玉ねぎが後ろから押してくる感じで、丼の中で役割がきれいに分かれているんですよ。

具の見せ方も、なかなかに手堅いんです。チャーシューは薄切りでも存在感があり、メンマやほうれん草、海苔が入ることで、八王子ラーメンらしい景色がきちんと整う。派手な盛りつけではないのに、食べ進めるほどに顔つきが見えてくるのがいいんですよ。背伸びをしないのに、雑には見えない。その塩梅が、アタシにはずいぶん好ましく映りました。

ネット上の実食記録を見ても、共通しているのは、あっさりした口当たりと玉ねぎの効き方、そして細麺の合わせやすさなんですね。魚介や醤油の香りが前に出すぎず、チャーシューやメンマの味つけも穏やかだという声が重なります。派手な一言で済ませる店ではないけれど、食べ終えたあとに輪郭が残る。そういうタイプの一杯として受け止められているようです。

ネット上では、この店の八王子ラーメンを中心に、きっちり輪郭のある旨さで語る声が目に入りましてね。派手に暴れるというより、わかる人にはすぐ刺さる静かな熱がある。昼だけの営業や二毛作の顔つきも含めて、気になる人がじわじわ増えていくタイプでして、アタシなら星4.2がしっくりきます。

選択肢としては、ソルトやワンタンソルト、まぜそば、ネギチャーシュー丼、TKGも案内されています。ですから、八王子ラーメン一択の店というより、昼の短い時間にいくつかの顔を見せる構成だと考えたほうが自然でしょう。ただ、まず店を知るなら、店名の印象よりも一杯の中身で理解したほうが早い。そう思わせるだけの柱が、八王子ラーメンにはあります。

訪問前に確認したいのは、昼営業の時間と定休日、それから二毛作の都合で昼のオペレーションが変わる可能性があるかどうかです。駅から徒歩圏とはいえ、少し歩くぶん、時間を外すと空振りになりやすい。席数は多くないという記載もありますから、気持ちに余裕を持って行くのがよさそうです。こういう店は、段取りまで含めて一杯のうちなんですよ。

綱島の周辺で、昼の短い時間に八王子ラーメンを出す店として見ると、この一軒は実に面白い立ち位置にあります。豪快に押すのではなく、玉ねぎと麺と醤油の線で勝負するところに、アタシは妙に引っかかるんです。まずは八王子ラーメンを軸に見て、気に入ったら他のメニューへ目を向ける。そんな順番が、この店の現在地をいちばん素直に受け止められると思います。